宥貴のお寺日記

津島の奥の院・宝寿院の日常を、新米尼僧が細々と綴っております。 

回顧録4

よし、なんとか起きられた!

1時半に飛び起きて、顔を洗って歯を磨いて、着物を着て・・・

そうこうしていたら、いい時間になっていました。

 

専修学院の掟その①・・・時間厳守5分前集合

 

やばいやばい!

ダッシュ集合場所に向かうと、皆世界の終わりのような顔をして整列していました。

皆ちゃんと眠れたのかな。どんな夜を過ごしたのかな。

 

そんなことをあれこれ考える暇もなく、私たちは班に分かれてそれぞれの持ち場に散っていきます。去年の学院生が引き継ぎで残って私たちの指導に当たってくれています。今年の学院生は総勢26名いるので、5〜6人づつ5つの班に分かれます。

 

私の班は計5名、「学寮当番」だそうです。

学寮当番の主な仕事、は学寮内の掃除をしたり、食事の準備をしたり、参道を綺麗に掃き掃除したりします。

私もひたすらデッキブラシでトイレの床をゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ・・・・・・・・・

 

カラン。

 

 

 

 

 

 

 

地味だな・・・。

 

 

だって!!!なんかもっとこう、、ソレっぽいことするんじゃないの!??

神聖な井戸に水を汲みに行ったり、仏前に儀式で使う伝説の漢方(?

)的なものを供えてみたり、せめて薄暗くて古めかしいお堂を裸足で雑巾掛けしたり!(←これは後日普通にやることになります。)

 

こんなんじゃ全然気分が盛り上がらないんですけど!

 

いきなり仏様に三度の顔をすっ飛ばしてぶん殴られそうなことをブーたれる私。

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でもこなさなくてはいけない仕事は結構多くて、何だかんだ言いつつも班の皆んなで協力しつつ片付けていきます。

 

 

「では、次はボンショーを鳴らしに行きます」

 

ボンショー???

 

引き継ぎ院生の言われるままに付いていく私達。

すると現れたのは大きな釣り鐘でした。

 

「これを毎朝5時半に交代で鳴らしてもらいます」

 

やったー!!ついにソレっぽいことができると大いに喜ぶ私。

 

班に誰も立候補者がいなかったので、僭越ながらボンショー(梵鐘)を打たせてもらうことに

 

 

 

 

 

ゴーーーーーーーン・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

平成27年4月1日午前5時30分。

五臓六腑に染み渡る梵鐘の響き。

冷んやりとした朝の空気。

小鳥たちのさえずり。境内に咲き乱れる桜の花。

 

「あー。私ここに来れて本当に良かったな・・・」

 

さっきまで地獄だと思っていた景色が、まさに極楽に変わった瞬間でした。

 

 

どこまでできるか分からないけど、なんとか一年頑張ってみよう!

 

心の中で秘かに誓ったひと時でした。

 

 

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「では、これから朝の勤行にいきます。だいたい一時間くらい正座だから足ほぐしといたほうがいいよ。」

 

 

 

 

・・・・・・・やっぱりここは地獄です。