宥貴のお寺日記

津島の奥の院・宝寿院の日常を、新米尼僧が細々と綴っております。 

回顧録 根来寺の熱い夏

セミの声がひっきりなしに聞こえてくるようになってまいりました。。

蒸し蒸しムンムン・・・😞💦いよいよ夏本番という雰囲気になってきましたね❗️

 

この気温、湿度、空気の匂いを嗅いでいると、ちょうど去年の今頃を思い出します

 

根来寺(ねごろじ)での繞堂行(にょうどうぎょう)です!

 

 

真言宗のお坊さん(阿闍梨・あじゃり)になる為には、一つ一つきちんとやらなければいけない幾つもの儀式や修行・修学があります。

例えば「得度式(とくどしき)」なんかは有名なので聞いたこともあるのではないでしょうか?これは仏様の弟子になる第一歩の儀式なのです。

そして、四度加行(しどけぎょう)という修行に進んでいくわけです。

この四度加行をきちんとやってないお坊さんは、お坊さんとは言えない!というくらい大切な大切な修行なのですが・・・

専修学院に入学してこの四度加行に入るまで約三ヶ月半。

もちろん厳しい学院での生活をこなしてきているので、我々みんな入学以前のようなキャピキャピ⭐️な感じではないにせよ、

「行者」と呼べるほどのストイックなモードではないんじゃないの?

 

それじゃぁダメでしょう・・・^_^?

 

じゃあお前たちのその腑抜けた根性叩き直したるわいっ(゚Д゚)!!!

 

これが繞堂行なのです🌸

 

(※↑少々乱暴な解説をしておりますが・・・正しくは、仏と一体となるという密教の奥深い修行の世界に入っていくため体と心を整える、という感じの深く考えられた趣旨なのです。でも・・・でも間違いではないですよね?)

 

 

私たちが一年間過ごした京都東山の智積院はもともと根来寺の中にあった寺院だったそうです。

(詳しい由緒はこちらに分かりやすく書いてあるのでごらんください↓↓)

智積院の歴史 | 真言宗智山派 総本山智積院

 

その縁で私たち専修学院生は特別に、言ってみれば智積院のふるさとでこう言った行をさせて頂いているわけです🙏🏻✨

 

 

具体的には申せませんが、そこで何をするかというと・・・

根来寺境内の諸堂巡り&読経三昧

というのがメインの修行です

 

何だ、そんだけのことか。と思うでしょう?

まあそんだけといえばそうなのですが・・・

 

 

蒸せ返るようなムンムンの湿気と照りつける太陽の下(たまに豪雨の中)

唱えるだけで1時間近くかかるお経や、真言100返ずつ(を大量)とかを各お堂の前でひたすらやります。

しかも「120パーセントでやれ」とおっしゃるのです。

我々の真剣味が足りないとやり直しになっちゃいます。。もう一回一時間のお経を全力フルスロットルで唱えるのはかなりエグいですからね((((;゚Д゚)))))))

もうみんな真剣だし必死です!

 

だいぶ序盤から声もガラガラだし足も頭もフラフラで失神寸前なんですが・・・

でもみんな、自分たちがこれから何になろうとしているのか?このくらい頑張れなくてお坊さんになれるのか!と考えるとヘタってなんかいられないんです💪🏻

それを5日間にわたってやるのが、繞堂行です♨️

 

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☝︎こんな感じの出で立ちで挑みます⚡️

どんなゆるキャラみたいな人も、4割り増しで勇ましく見えます

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  ☝︎地元新聞に私たちのことが載っていたそうです。

 

 

そんな肉体的にも精神的にもつらかった繞堂行ですが、今でも時々、あの根来寺の風景を五感で思い出します。 

セミの鳴き声、草深い根来の青臭い匂い、纏わりつくような湿気と汗、異常に濃い麦茶の味、目にしみるような緑の美しい根来の境内・・・

 

 

今頃、今年の専修学院生が暑い熱い繞堂行を頑張っていることでしょう🎌

 

私も去年を思い出しながら引き締めて参ります🔥

 

www.negoroji.org

根来寺。とってもいいところなので、機会があればどうぞお尋ねください🐾