宥貴のお寺日記

津島の奥の院・宝寿院の日常を、新米尼僧が細々と綴っております。 

宝寿院のお聖天さま

昨日の夕方からの雪で、津島も一面雪景色❄️

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フワフワの雪でむしろ暖かそうにすら見えるお釈迦様です(^_^;)

 

昨晩は所用で名古屋駅におりましたが、名古屋の街中と津島では積雪が3倍くらい違って驚きました!

 

我が家の猫達が「ニャーニャー!(お外行くにゃ)」と主張してくるのでお庭に出してみたら、「にゃにゃ⁈(何じゃこりゃにゃ⁈)」と良いリアクションをしてくれました🐱

昨年の初夏生まれの猫なので雪は初めてですからね☃️

 

 とにかく低温が続くそうです。皆さんもなるべく温かくしてお過ごし下さい♨

 

 

 

 

さて、お正月に宝寿院の御朱印帳を買った方に受付しました特別の絵を描いた御朱印

 

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宝船・「宝」寿院丸です⚓️✨

宝寿院の仏様、神様が勢揃いです☘

 

仏さまの教えは「船」に例えられます。

この船に乗って仏様のような境地、つまり悟りに至ることが仏教の目指です💪🏻お寺はその船に乗る「港」といったところでしょうね⚓︎

この、「法の船」に乗って仏様に会いに行くのです🌸私の描いた絵は、仏様が皆さんを待ち切れずに迎えに来てしまってますね(^◇^;)

 

お正月ということで、七福神風です🎌

 

お薬師様を頂に奉りまして、お地蔵さま、表脇にはお薬師様のご眷属・日光月光両菩薩。

網代笠に錫杖を携えた弘法大師、泉龍神のお前立て・白蛇さんもいらっしゃいます。

 

七福神風であればあと一尊足りないのですが・・・

実はセンターのお地蔵さまが携えていらっしゃいます大根が七尊目✨

 

お聖天様です🙏🏻

 

今日はこの大根で描かせてもらいましたお聖天様のお話しです。

 

 

 

【お聖天様とは??】

 

「大聖歓喜大自在天

通称「お聖天様」

 

このご尊格を聞いたことがある方も多いと思います。

私が知っているお聖天様をお祀りしている有名な所ですと、奈良県生駒市宝山寺名古屋市中区の福生院などが挙げられます。

 

 

お聖天様は現世利益を成就させるお力が極めて大きな尊格で、障碍退散・夫婦和合・子宝の神様としても信仰されています。

 

 

そのお姿は・・・

 

残念ながら古来より、聖天供の行者以外が拝見したりお姿を表現することは禁じられております💦

 

宝寿院にも、本堂向かって左側にお聖天様がお祀りされています。しかし、代々お厨子の扉を開けてはいけないと厳しく伝えられております。なので、私もどんなお姿なのかは分かりません(⌒-⌒; )

 

ただ昔から大根はお聖天様の大好物✨ということからシンボルとして使われています。

宝寿院でも立派な大根が上がるとお供えしていました。中でも二股になった人の足の様な大根が好まれるそうです^ ^

 

お聖天様は私たち真言宗の祖・弘法大師がお参りの仕方とともに日本に伝えました。

 

元々お聖天様の由来は、インドのガネーシャ神と言われています。皆さんもインド料理屋やアジア雑貨屋さんなんかの壁に頭が象の神様のポスターが貼ってあったりするのを見たことがあると思います🐘

日本に伝わったお聖天様のお姿も、頭が象、体が人間。一般的には双身のご尊体が抱き会ったお姿なのだそうです。

 

何だかとっても神秘的ですよね🤔

 

 

【お聖天様へのお参り】 

 

宝寿院にいらっしゃるお聖天様は天王社の鬼門除け・仏法の興隆守護神としてお祀りされていたそうです。

強烈なお力を持つお聖天様は、特に密教寺院においては度々その様な役割をされるそうです。

 

正しくきちんとお祀りすれば速疾にして大きななご利益をお授け下さるお聖天様ですが、反面お祀りの仕方も大変特殊。

なかなか難易度の高い神様としても知られています。

 

特に行者は、一度油浴(お聖天様独特の供養法)を始めたら毎日欠かす事なく終生これを続けなければならないといいます💨

 

そういった所から言うと、宝寿院では最低限のご供養で辛抱して頂いております💦

少なくとも今の私にとっては本尊薬師如来やお地蔵様をご供養するのが精一杯🙇🏻

 

しかしやっぱりお聖天様に申し訳ないという気持ちがあり、名古屋の袋町お聖天様 福生院ご住職に相談したことがありました。

 

確かに真正面からお聖天様を拝むということは本当に大変な事。今まで通りお厨子の中にお祀りして仏供や大根を始め、お酒や甘い揚げ菓子(歓喜団というお菓子があります🍭)を手に入れたらお供えすると良い。

神様仏様というより、自分の親戚のお爺さんのように親しんで日々ご挨拶をし、お世話差し上げることが喜ばれる。

 

というようなアドバイスを頂きました。

それまで私はお聖天様のことをただただ怖ろしい神様で関わらない方が無難かなぁという認識でおりましたが、ご住職にご相談して少し安心し、親しみを込めて接することが出来るようになってきたと思います♨

宝寿院を護って下さっているお聖天様に感謝の気持ちを込めて般若心経とご真言をお唱えし、せめてもの誠意をもってお参りします🙏🏻

 

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ちなみにこれが歓喜

巾着の形をしていて可愛らしいですね❤️

皮の中に独特な味のする餡が入っていて、ごま油でカッチカチに揚げてあります。

凄いハーブ臭というか、好き嫌い別れるお味だと思います😅ちなみに私は結構好きです🌸ドイツのお菓子的なオシャレな味に感じます笑

 

 

お聖天様は普通のお寺の仏様にお願いするにはちょっと躊躇してしまう様な、無理なお願いも受け入れて下さると言われています。

しかし、それが一人よがりで人を貶めるようなものであってはじきに見放されてしまうでしょう。

どんなご祈祷でもそうですが、願いが成就したあかつきに自分がどうなりたいのか?神仏から頂いたご利益を周りの方にもお裾分けしていくことを考えていきたいですね🎌

 

そして、もしお聖天様にお願い事をされるなら、ご自身で決めて定期的にご祈祷を依頼したり、継続して参詣をされると良いですね🙏🏻✨ 

(宝寿院ではお聖天様のご祈祷は致しておりません)

 

 

神様仏様によってお参りの仕方や、お供えすると良いものも違います💐そういった儀式的な分野を「事相」と言います。原則お坊さんのみに修行の段階に応じて本山で伝授されるのですが、やはり細かい部分は自分から興味を持って勉強していかないといけません。お寺や地域によっても多少異なりますし、そういった違いもまた面白いですね📚

 

お聖天様をはじめ、宝寿院にお祀りされている仏様や神様については私もまだまだ勉強過程で、参拝の方から教わる事も沢山あります。

 

また機会があれば記事にしてみたいと思います^^