皆さま大変ご無沙汰しております、約2ヶ月ぶりのブログ更新となります!
5月の連休明けから7月初旬まで、四国八十八ヶ所21番札所 太龍寺という山奥のお寺で約2ヶ月に渡る修行を終えて、無事五体満足で帰って参りました🙏🏻
高野山の奥の院がお大師様最後の道場ならば、太龍寺は始まりの道場とでも言えるでしょうか。舎心山 太龍寺は約1200年前、若き弘法大師空海さんが実際に歩き廻り、座し、修行した地。
当時大師が修した虚空蔵菩薩を拝む秘法が守られ伝えられ実践される、真言行者にとって大変重要な場所です。
今回そんな有難い修行を行うご縁を頂き、分不相応とは重々承知の上で行って参りました。
◆山での生活
真言密教の秘行中の秘行なので、例え同じ僧侶同士と言えども伝授を受けていない方に修行の内容をお話する事は堅く禁じられています。
話したくても、表現しようがないような不思議な部分もあります。
生活面についてほんの少しだけ。。
やはり、とても刺激的だったので💦
テレビもねぇ、ラジオもねぇ、スマホもねぇのはまぁ修行なので当然ですが、
風呂もねぇ、洗濯機もねぇ、エアコンもねぇ
あるのは山の雨水のみ
という環境で2ヶ月は流石に相当不安でした・・・
一日24時間の内、仏様を拝む、及びその準備に要する時間が殆どを占めるので、最低限体が壊れない程度の寝食の時間を確保したらもう何もできません。
となると生命維持にそこまで関係ない洗濯などを諦めざるを得ないというか、もうそんな事何でも良くなります。(※新婚1ヶ月足らずの新妻です)
お堂の掃除をしたり、仏器を磨いたりする時間だって下手したら足りないくらいだからです。
行中は、体を傷つける可能性のある剃髪も出来ませんので髪がどんどん生えてきます。
少し伸びた髪が雨に濡れたりすると、ウチのシープ🐶が川遊びした後みたいな香ばしい感じになります(※新婚1ヶ月足らずの新妻です)
とにかく今回に限らず本来修行というのは、自分の身なりに構う時間も惜しんで持てる全てを仏様の為に供養していくものなんだと実感しました。
また、行中は人と会う事話す事もできません。阿闍梨という指導して下さる僧侶の方が2ヶ月の内数回、修行の段階に応じて申し伝えをしにきて下さる時以外人と会話することはありません。 (多分生存確認は毎日してて下さってます笑)
私にとってここまでの孤独はこれまでの人生で本当に味わったことがありませんでした。。比較的独りが好きなタイプだとずっと思って生きてきましたが、全然そんなことありませんでした💦ただ人から都合の悪い事をあーだこーだ言われたくないだけの寂しんぼだということがよ〜くわかりました^_^;
また、私の場合修行が終われば心配して待ってくれている家族の元に帰れますが、世の中には日常においても孤独の中にいる方々が沢山います。そんな人たちの事に繰り返し思いを馳せていました。
生活面でも色々沢山面白いこと、恐ろしいこと、不思議な事、挙げればキリがないくらいです。
◆有り難い日々
物も時間も体力も何もかも足りない生活。体が慣れるまで私は相当かかりました💦普段人一倍だらし無い生活なので仕方ないですが。。
しかし次第に不思議と、何もかもが足りないけれども何もかもが満ち足りているんだなと心底思えるようになってきました。
初めは恐ろしさのあまり足がすくんで動かなかった夜の山道。
森にサラサラと、時に轟々と降る雨。
すぐ耳元で響く雷。
霊木の間を吹き抜ける風。
満天の星空、清らかな月
一日一回持って来て下さる精進のお弁当の味
虫達との格闘
鳥の鳴き声、風の音、お遍路さんの読経の声
カヤの葉と沈香の薫り
仏様とたった二人きりで過ごした2ヶ月は本当に静かで清らかで有り難い日々でした。
長い永い生死の旅の中やっと人間として生まれ、出家の身となり真言の教えを受けてこの行が出来るというのは殆ど奇跡です。
こんな幸せな経験は今生においてもう二度は無いだろうなあとしみじみ思います。
そして何より、私を取り巻く全ての事柄に感謝の気持ちでいっぱいになりました。
これからの宝寿院の事、私生活の変化、様々な事が本当に不安で不安で仕方ない数年間の中で今回の修行に縁を頂き修することが出来ました。
この2ヶ月の為に一年以上準備をしました。
もっとも心配だったのは師僧の祖母の体調でしたがお薬師のおかげで調子が良いです。
環境、健康、経済、気力どれが欠けても行くことが叶いません。
そして留守の間も、宝寿院を守って下さる家族やご奉仕の方々、本当に多くの方の助けを頂きました!
感謝という言葉では霞みますが、本当に感謝しかありません🙏🏻🙏🏻🙏🏻
この2ヶ月を総括して言葉にしようにも、中身が濃すぎて、思ったこと感じたこと経験したが多すぎて、、、
きっと私の今生最期の時まで今回経験したことは私の大切な原点として何度も反芻し熟成していこととなると思います。
今はまだボジョレーヌーヴォーのような感想しか出てこないので、この辺でご容赦ください🙇🏻💦
◆虚しく往きて 実ちて帰る
むなしくいきて みちてかえる
『御請来目録』という弘法大師の著書の一節です。大師が唐に渡り、密教の教えを全て受け継いで充実して帰った様子がわかります。
太龍寺のロープウェイを出た所の石碑にこの言葉が刻んであります。
私は夜中山に入る前、ヘッドランプで照らし毎日見ていました。
この修行が終わった暁に、私はどうなっているのか?何が待っているのか?
正直まだよくわかりません。
弘法大師の大海のような器に対して、私なんかはヨーク(発酵乳)の入れ物くらいのキャパしか持ち合わせていませんが😅それでも仏様から多くのものを頂きました。
長ーい階段の一段、登らせて頂けていれば良いなぁと思います🙏🏻
目を閉じれば舎心嶽から見た風景、
狭くて暗いお堂の中、栢の油灯に照らされた本尊様の姿がと蘇ります。
今日からはまた宝寿院での生活に戻ります。
今朝は疲れて早速寝坊しました……笑
明日は8日、10時から護摩祈祷。
これからは虚空蔵様に教え頂いたことを活かしてまたお薬師様をさらに一生懸命お参りして参りますよ🔥
太龍寺の有難い霊木で作った護摩木を分けて頂きました✨閼伽井戸の水も少し持ち帰ってきたので、仏様方の最高のお土産となると思います🙏🏻
皆さまにもお加持で使わせて頂きますので、どうぞお越し下さいね。
のうぼうあきゃしゃきゃらばやおんありきゃまりぼりそわか
今日もお読みいただきありがとうございました!
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