毎月テーマを決めて作っている宝寿院の寺報『ぼだい樹』
今月は「自利」と「利他」について書きました
「自利(じり)」とは、自分の心が安らかになることを求め修行し努力すること。
「利他(りた)」とは、自分以外の存在も幸せになるように尽くすこと。
「釈教は、一言之を蔽えば、唯二利に在り。」
経典には多くのお釈迦様の教えが書かれているが、それらを集約して一言でいえば「自利」と「利他」(二利)に尽きる
と、弘法大師は『御請来目録』という著書の中に記しています。
特に注目したいのは「二利」という言葉
「自利:自分の利益」と「利他:自分以外の利益」は相反する概念の様に思えますが、お大師様、ひいてはお釈迦様は自利と利他はイコール、二つだけれども別々にとらえず一つのことなんだと考えられているということです。
自分に良いことがあれば人に回し向けるよう努力し、その人が良い恩恵を受ければ自分の事のように喜ぶ✨
そんな自利利他が互いに円満成就する世界がお釈迦様の説く安らかな世界、仏様のお浄土なんですね🙏🏻
しかし・・・
心の中に黒いものが渦巻き、なかなかそんなふうになれないのが私達なんですよね😭
なるべくそのような境地に近づけるように、様々な方法を教えてくれているのが仏教です。
さて、今月23日は「勤労感謝の日」
勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日、だそうです。
昨今しきりに「働き方改革」が推進されています。
皆さんの身の回りではどうでしょう?改革されている実感がある方もいれば、あまり変わらないなーという方もおいででしょうか^_^;?
「お坊さんは仕事…?いや、生き方…でしょ?」というちょっと微妙〜な業界でも、人を雇っているような大きなお寺などでは働き方改革が進められているところもあるようです。
宝寿院は・・・どこか改革の必要がありますでしょうか(´∀`; )?と母にお尋ねせねばなりませんな笑
(ちなみにお坊さんの戒律では、賃金を得て働く事は、もっと稼いだろ!とか、この金はワシのじゃ!という執着を生む原因となるということで避けるべきとされています。私達はあくまでも「お布施」で寺院運営や生活をしているということですが、、、明朗会計が好まれる現代では形骸化しているのも事実です。)
とにかく働いて報酬を得て生活をしていくという事は当たり前のようでとても大変な事。
立派な心の修行でもあるように思いますが、日本ではまだまだ課題山積のようです💦
自分の役割に誇りを持ち、他者も同じように尊重し、皆で豊に幸せになれるように努める。
自利利他の実践が私たち仏教徒のあるべき姿だと仏様は教えて下さいました。
勤労感謝の11月、
自分の為は人のために
人の為は自分の為に
かけがえのないお互いの役割に感謝し合い、年末に向けて頑張って参りましょう💪❗️
お読み頂きありがとうございました🙏🏻