宥貴のお寺日記

津島の奥の院・宝寿院の日常を、新米尼僧が細々と綴っております。 

届け、御詠歌

人それぞれ色々な人生のインパクトがあって、それぞれが「あれからもう◯年か・・・」と振り返るタイミングがありますね。

 

終戦、伊勢湾台風阪神淡路、サリン事件・・・日本全体の大きなインパクトも沢山ありますが、最も鮮明で、今もなお課題が山積な東日本の震災。

 

あれから6年が経ちました。

 

 

昨日、大須観音で震災慰霊の為の御詠歌奉詠法要がありました。

今年は7回忌ということで、最後の開催でした🙏🏻

 

様々なお寺から大勢の参加があり、我々宝寿院は「地蔵菩薩和讃」という御詠歌をお唱えして参りました。

皆さんこの日の為に沢山練習してくださり、本当に心のこもった素晴らしい奉詠でした💐

 

 

 

 

 

奉詠が終わり、2時46分。

大須観音の梵鐘が鳴り、皆で黙祷を捧げました。

 

 

 

 

フワフワとした揺れ

ラジオから聴こえる地震速報

テレビで見た押し寄せる真っ黒な波

避難所の色とりどりの布団や毛布

 

 

 

 

 

6年前のあの震災は一体どれだけの人の人生を激変させたでしょう。

 

 

私は、物心が付いて以来あれほど沢山の日本人の命が失われる出来事が初めてで、ただただ恐ろしくて憂鬱でした。

と言っても、東日本の方に近い縁者もいなければ訪れたことも無かった当時の私にとっては、自分の周りの環境にほぼ何の変化もなかったのでした。せいぜい義援金を振り込んだくらいで、、

頑張ろう!ニッポン🎌と言われても、正直なにをしたら良いのか見当もつきませんでした。

 

 

 

しかし、6年経ち、私は当時想像もしていなかった尼僧になりました。

 

 

 仏道に入ったからといって、何ら変わりのない自分です。。

 

 

しかし、仏様が居て下さることを知りました。

仏様が亡き人を導き、辛く苦しい人に寄り添ってくださるという確信があります。

 

仏様の大きなお力を支えにしながら、お坊さんとして祈り、誰よりも人の痛みに敏感で在りたいと思うのであります。

 

 

 

 

私達のお唱えした「地蔵菩薩和讃」

お地蔵様は、小さな子供を特に大切にして下さる仏様です。

幼くして命を終えなければならなかった子供たちを守り導き、その家族の心を癒して下さいという祈りを込めて皆でお唱えしました🙏🏻

 

 

全ての祈りが、亡き人や今もなお苦しむ人全てに届き、皆が安らかな心でいられますように!